英国陶芸家スージークーパーの「ピンク ドレスデンスプレイ」の美しい大きな楕円形のプレートです。「ドレスデンスプレイ」は、スージークーパーの代表的なモチーフですが、とりわけピンクの品物は人気の高いようです。英国で特にピンクに人気があるのには理由があります。それはロイヤルファミリーの購入です。当時エドワード8世がシンプソン夫人に「ピンクのドレスデンスプレイ」のディナーセットを贈ったことが、マスコミに載り、一気に人気が高まりました。この「事件」から、「ピンクのドレスデンスプレイ」は特別なモチーフとなったわけです。作品年代は、バックスタンプの「リーピング ディア」から1932年～1964年と推定されます。大きさは直径30.7cm24cm、高さ3cmコンディションは、ヒビや欠けのない艶やかな極めて良好なコンディションです。ヴィンテージのアースンウェアですが、作製当時の色むら・凹凸・黒点などはほとんど見当たりません。また、カトラリー傷もなく、おそらくはほぼ未使用ではないかと思われます。経年並みの綺麗で透明な貫入はありますが、この作品に限っては、細かな美しい貫入は、ヴィンテージ品としての価値をこの作品に付加しています。貫入については≪≫注釈ご参照。スージークーパーのピンクドレスデンのコレクターには、必須の外せない作品です。≪注釈≫：貫入とは陶器を窯から出した時に作品は冷え始めますが、その際に粘土部分の冷却収縮率と釉薬部分の冷却収縮率が異なるため、釉薬部分の下層に細かな亀裂が生じます。これを「貫入」と言います。陶器を窯から出すと、冷えに応じて「ピンピン」と小さな音がすることがありますが、これは貫入が入っている音です。「貫入」は、ひび割れやヘアラインや欠けなど、完成後のアクシデントで生じるダメージとは区別されていて、一般的にダメージとは言いません。ただ、貫入が深くて表面までひび割れが出てくれば、ダメージと認定される場合もあります。表面まで貫入が達すると、この部分から液体が入り、色が着く場合もあります。「貫入」は、作品に味わいを与えると評価される場合もあります。以上。