セイキセレナー135/4（非連動）は1947年（昭和22）3月発売。社名変更（1947.09）まで6ヶ月間のみセイキ（Ｓｅｉｋｉ）名。1948.03には改良された連動型（Ⅰ型）が発売されているので製造期間は1年ほどの短いものだったようです。セイキ銘のレンズのNoは4030～5108が確認されています（上山「セイキキヤノンのすべて」による）が、4050以前の製品は試作品等に限られており、市販品としては4051からのようです。製造本数についてはシリアルから1000本強と推定されていますが同時期に出荷されたカメラ（ＳⅡ）本体が1700台程度に過ぎないなかで、正直なところ使いずらく、価格も高価であったこのレンズがそこまでの本数作られたかは疑問が残ります。近年の市場では殆ど見かけられないことなどを考え合わせるとかなりの欠番があったのではないかと思われます。短期間の製造でしたがその間でも（理由は良く解りませんが）鏡胴のデザイン変更は頻繁にあり、タイプⅠ～Ⅲの３種があります。（研究者によっては２種類との主張もあります。）ただし３種共レンズ設計は同じとされています。セイキ時代のものは絞りがｆ２２まであるのが特徴です。（以後はｆ１６まで）
今回出品の個体は最終型のⅢ型です。非連動ライカＬマウント。絞りステップ表示は4－5．6－8－11－16－22（無段階）距離表示はｆｔ 最短5ｆｔ珍しいＮｏ表記（Ｏの下にアンダーバー付き）重量 538ｇキャップ内径４２ミリ純正のミニフアインダー、革ケース、前後キャップが付属します。
付属のミニファインダーは後年のものと違いパララックス補正などのないシンプルな構造ですが小型でかわいいです。光学系もシンプルで僅かにクモリがあるようですが使用に問題はありません。
革ケースは経年感が強いですが破れや大きな変形はありません。なお、上蓋にＣＡＮＯＮのロゴに加えて（13．5ｃｍではなく）１３５ｍｍと刻印されていますが、セイキ時代のこのケースで表示のあるものは全て１３５ｍｍと表示されており、むしろオリジナルである証拠です。蓋裏にファインダーの取り付けができますが後年のものと違いレンズとの隔壁はありません。
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